全国の工場夜景エリア

4エリアから始まった工場夜景エリアは、13エリアへと。各地でツアーが開催されるなど、ますます工場夜景の魅力は全国へ広がっていきます。

全国工場夜景エリア

・工場夜景観光の先進地・川崎市の呼びかけで室蘭市・四日市市・北九州市の四エリアにより共同宣言を採択(平成23年2月23日・第1回全国工場夜景サミット)
・第3回サミットより山口県周南市、第5回サミットより兵庫県尼崎市、第6回サミットより静岡県富士市、第7回サミットより千葉県千葉市、第8回サミットより大阪府高石市と大阪府堺市、第9回サミットより千葉県市原市が加入。
・そして令和2年度から愛知県東海市が、令和5年度から愛知県飛島村が加入し、工場夜景エリアは13地域となっています。
・2017年にはこの13エリアで「全国工場夜景都市協議会」を設立し、各地の工場夜景を紹介するポータルサイト「工場夜景INFO by 全国工場夜景都市協議会」も立ち上がっています。

全国工場夜景エリアの紹介

1. 室蘭市 [北海道]

室蘭市は北海道でも有数の工業都市で、鉄のまち・ものづくりのまちとして北海道の工業を支えてきました。港を中心としたすり鉢状の地形になっており、港を取り囲むように明るく輝く工場群が立ち並び、その周りを沢に沿って市街地が形成されていて、市内には角度や高さの異なる複数の展望台があります。見下ろす夜景だけではなく、自分の目線にある夜景や見上げる夜景もあるのが特徴です。また、港には東日本最大のつり橋「白鳥大橋」が架かり、橋のイルミネーション・ライトアップは工場の明かりとあいまって、室蘭の夜をいろどります。海から夜景を眺めるナイトクルージングも好評です。陸上とは違う角度から見る工場群の夜景はダイナミックで迫力があります。

2. 千葉市 [千葉県] Webサイト

千葉市の工場夜景は他では観ることのできない「琥珀色の工場夜景」。「海から」と「空から」、二つの観賞方法があります。「海から」観賞する場合は、JR千葉みなと駅から徒歩約7分、ケーズハーバーに併設の千葉みなと旅客船さん橋から出航しているクルーズ船。間近に広がる大迫力の光景を目で楽しめるほか、機械音や蒸気音を耳で楽しめるなど、工場夜景の魅力を全身で体感することができます。「空から」観賞する場合は千葉のランドマーク千葉ポートタワー。地上113mからの眺めは「日本夜景遺産」にも認定されています。時期によっては工場夜景と同時に富士山頂にちょうど落日が重なる神秘の現象「ダイヤモンド富士」を楽しむこともできます。

3. 市原市 [千葉県] Webサイト

全国で第3位の製造品出荷額等を誇り、その中枢を担っているのが、臨海工業地帯の石油化学コンビナート群です。このコンビナート群の発展とともに、市原市は発展してきました。海づり公園もある養老川河口の養老川臨海公園からは、ダイナミックな工場の風景を最も間近に見られるスポットです。広場に設けられたベンチからは、養老川対岸に白を基調とした煙突がそびえる風景をゆっくりと鑑賞することができます。また、背後を振り返って南側を向くと、石油化学系の煙突・タンク・パイプなど、巨大な構造物と夜間照明が煌々と輝く景色が広がり、1か所から全く異なる2つの工場夜景を鑑賞することができます。

4.川崎市 [神奈川県] Webサイト

臨海部が京浜工業地帯に位置する川崎市は、工場夜景発祥の地とされています。川崎の工場夜景は、工場が集積している7つの島とそれを取り囲む16の運河の中で訪れる方々に様々な光景を見せてくれます。陸から眺めるバスツアーでは、クライマックスの首都高速川崎線からの光の大パノラマが宇宙ステーションのようで幻想的です。さらに、屋形船クルーズでは、島と島の狭い運河を運航するため、海上から間近に仰ぎ見る大迫力の工場夜景を見ることができ、波の緩やかな運河の水面に映る光もとても神秘的です。どちらのツアーも定期的に運行して約10年が経過しますが、現在も人気を博しています。

5. 富士市 [静岡県] Webサイト

富士市は、静岡県の東部に位置し、北に富士山、南には駿河湾を望み、日本三大急流の富士川が流れる、自然と産業が共存するまちです。湧水をはじめとした富士山からの豊富な恵みを受け、製紙や化学、食品、自動車部品など、多様な産業が発展し、近年では環境負荷が少ない新素材であるCNF(セルロースナノファイバー)に関連する産業の一大集積地を目指した取り組みを進めています。水源の近くに工場が点在するため、自然を背景にした個々の工場を間近に観ることができ、特に富士山とのコラボレーション工場夜景は、他の工場夜景都市には真似できない富士市ならではの景色で、富士山とともに発展してきたまちの息吹を感じることができます。

6. 東海市 [愛知県] Webサイト

 名古屋市の南に位置する東海市は、伊勢湾に面した工業都市で、名古屋南部臨海工業地帯の一角を形成しており、産業上の拠点都市となっています。沿岸部は、臨海部企業の工場があり、溶鉱炉や圧延工場などの工場群に火がともると、海側からは大変綺麗な工場夜景が見られます。東海市では、工場夜景等を観光資源として活用していくため、令和元年度(2019年度)に横須賀ふ頭を発着場所とした観光クルーズ船運行の社会実験を開始しました。

7. 飛島村 [愛知県] Webサイト

飛島村は、名古屋市に隣接する人口5千人に満たない小さな村で、北部の農村地帯と南部の臨海工業地帯という二面性を持つ全国でも珍しい自治体です。特に南部の臨海工業地帯には、国内最大級のコンテナターミナルが整備され、中部地方の物流拠点として発展しています。国際産業戦略港を目指す名古屋港の一翼を担う飛島村は、ものづくり中部と世界を結ぶゲートウェイとしての役割が期待され、物流、倉庫関連企業の立地が進んでいるほか、電力、鉄鋼、造船、自動車、航空宇宙など、広い分野にわたる産業の工場が集積しています。飛島ふ頭では2,220m直線の岸壁に13基のガントリークレーンが一直線に並ぶ圧巻の光景をお楽しみいただけます。

8. 四日市市 [三重県] Webサイト

四日市のコンビナート夜景は3つの特徴があります。1番目として地上100mの四日市港ポートビル「うみてらす14」からは、眼下に広がるパノラマで光の絨毯のような超幻想的な工場夜景を安全で快適に観賞することができます。2番目として、海上から工場夜景が楽しめます。四日市の臨海部は、ほぼ全域にコンビナートが立地しており、クルーズ船で海上から観賞すると水面に映りこむプラントが揺れる幻想的な夜景が楽しめます。3番目として、陸上には間近で強力な光を楽しめるスポットが数多くあり、プラントの機能美や重厚感を味わうこともできます。このように四日市の工場夜景は、上空、海上、陸上と様々な角度から立体的に楽しめることから「3D夜景」と称されています。

9. 堺市 [大阪府] Webサイト

堺市は関西の中央部に位置し、空の玄関・関西空港にもほど近く、大阪や京都といった関西主要地域へのアクセス性も高いです。そのため、本市と高石市に位置する堺・泉北臨海工業地帯の工場夜景は世界中からの旅行者が最もよく目にする工場夜景と言っても過言ではありません。その魅力は大規模なプラントが一箇所に密集し、同じエリアに様々な角度から工場夜景を鑑賞できるスポットがある点です。とりわけ阪神高速湾岸線から見える工場夜景は、まるでSF映画のワンシーンのような美しさです。本市を訪れる方には、昼は仁徳天皇陵古墳や茶の湯体験などの「歴史・文化のまち堺」、夜は「工場夜景のまち堺」と一日中お楽しみ頂けることを保証します。

10. 高石市 [大阪府] Webサイト

高石市の臨海部には隣接する堺市から泉大津市にかけて堺泉北臨海工業地帯が広がっています。市内には石油・化学系の工場が立地しており、臨海部の工場地域が市域の約4割を占めています。そこで見られる工場夜景は、圧倒的なスケール感と阪神高速湾岸線から望む連続したパノラマが魅力です。また、海越しに立ち並ぶ工場群とその姿が水面に映るその明かりや、間近から見ることができる複雑なパイプの配管やプラント、水路を挟んで工場群と高速道路を眺められる珍しい景観など様々な姿を見ることもできます。それらのスポットを巡る地元商工会議所が主催する工場夜景ツアーは大人気で、毎回定員を大きく上回っています。

11. 尼崎市 [兵庫県] Webサイト

「ものづくりのまち」として歩んできた尼崎市は、公害を乗り越えてきた歴史があるまちでもあります。工場夜景スポットが集中する南部地域は、発電所や鉄鋼産業などを中心とした重化学工業地帯が形成されていきましたが、大気汚染や水質汚濁などの公害被害も同時に引き起こしました。行政のみならず、市民や地元産業界の長きに渡る努力の結果、尼崎市の環境は大きく改善され、平成2 5 年3月には国から「環境モデル都市」に選定されました。マイナスイメージを乗り越えた結果、「工場と住宅地が近い」ことが、「工場へのアクセスのしやすさ」に繋がっており、立ち昇る蒸気や、配管のうねりなど、尼崎ならではの迫力ある工場を見ることができます。

12. 周南市 [山口県] Webサイト

周南市は、瀬戸内海を臨む海岸線に全国有数の石油化学コンビナートが形成されており、晴海親水公園から眺める工場夜景が日本夜景遺産の認定を受けるなど、全国的にも高い評価を得ています。周南工場夜景の最大の魅力は、工場夜景をより身近で楽しむことができることです。JR徳山駅の南側に広がる工場夜景は、新幹線の中から楽しむことができ、市街地から近く、徒歩で気軽に向かえるビュースポットも幾つかあります。また、お好みに合わせて工場夜景を満喫できるクルーズツアーやタクシーツアー、客室から工場夜景を楽しめる宿泊プランが実施されるなど、官民が連携して夜型観光の推進に取り組んでいます。

13. 北九州市 [福岡県] Webサイト

北九州市は、1901年の官営八幡製鐵所操業以来、かつての四大工業地帯の一つである「北九州工業地帯」として、日本の近代産業を牽引してきました。関門海峡から洞海湾に続く東西約20kmの海岸線には製鉄所をはじめ、化学工場、エネルギー基地などが立ち並び、昼間の重厚でたくましい工場群は夕暮れとともに幻想的できらびやかな灯りを放ち、“ものづくりの街”として北九州市民の誇りとなっています。新日本三大夜景「皿倉山」や日本夜景遺産「高塔山」など、多くの観賞スポットのほか、毎週土・日曜日には、工場夜景観賞クルーズ船も運航され、多くの観光客でにぎわっています。